松高昭和56年卒:同窓会準備室

令和6年1月2日正午還暦同窓会は行われました

いくつになっても恩師は恩師

50才の同窓会で歓談中に声をかけられた。

「元気にしよるみたいやのぅ」声を聞いてすぐ誰だかわかった。何年経っても先生の声にはすぐ反応してしまう。グラスを置いて改めて参加の御礼をさせていただいた。「わしは今回の同窓会が初めての参加なんじゃ。招待状嬉しかったぞ。」目を細めながらやわらかい表情で先生は話し始めた。

「教師になった時には、受け持った生徒たちに立派な社会人になってもらえるようにと、いろんなことを教えてやろう!と、こんなわしでも夢を持っとったんじゃ」「ほなけど、何の因果か、生徒を指導するようなや役職を与えられて、警察みたいなことがわしの仕事になってしもうたんよ。」「生徒はわしの顔見たら嫌な顔をして、逃げて‥誰からも慕われるような理想像とは大きく違う道を歩かされたんじゃ」「そやからわしが同窓会に出ても皆から嫌な顔されるのがわかっとるから、どんなに誘いを受けても断っとったんじゃ」

「けんど、教師をしたらやっぱり受け持っとった生徒の将来はいつも案じとってな。退職して何年たっても忘れれん奴も何人かおるんじゃ。ほのうちの一人がお前じゃ。お前が幹事をしとるっていうけん、今日はお前の顔を、どんな面をしとるかそれだけを楽しみに、初めて同窓会に参加したんじゃ。」

思いがけない先生の言葉に思わず胸がいっぱいになり、先生の手を握ってしまった。そしてじっと目を見て「その節は、大変ご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。」改めて謝罪をした。そして近況報告をしその場を離れた。

「このエピソードは何年経っても忘れることができない。自分ひとりで大きくなったような気がしていたが、たくさんの人の土台の上に生かされていたのだと渡辺先生によって気づかせていただいた。こういう再会ができるのも同窓会だ。あと111日で当日を迎える。